ゲームに関する研究が気になる最近。Battlefield4を使った研究があったので論文読んでみました!ゲーム体験とプレイヤーの感情に関する研究で、心理学系の話なので専門外ですが。

敵を倒した時や自分が死んだときといったゲーム中のイベントとプレイヤーの感情には強い関係があることが示されています。感情というフワフワしたものを、脳波計測で定量的に示していることが面白かったです。

論文情報

  • Relationship Between Video Game Events and Player Emotion Based on EEG(EEG;脳波に基づいたゲームとプレイヤーの感情の関係について)
  • 論文:https://link.springer.com/chapter/10.1007/978-3-319-39513-5_35
  • 著者:Duo Chen, Joseph James, Forrest Sheng Bao, Chen Ling, Tianzhe Fan
  • 出典:HCI2016, International Conference on Human-Computer Interaction

Abst翻訳

ビデオゲームのリアルタイムの没入型仮想動的環境は、最近着実に普及しています。その一つの要素は、ビデオゲーム中のユーザーの感情を正しく検出することです。ただし、ビデオゲームのイベントによって引き起こされる感情の変化や、プレーヤーの潜在的な関与を予測できるかどうかについての研究は不足しています。この研究では、ビデオゲームにおける感情の変化とイベントの関係についてEEGベース(脳波)の研究を実施します。 20人の参加者が3種類のビデオゲームをプレイし、彼らのEEGデータを使用して、ゲームプレイにおける2つの一般的な感情である興奮と欲求不満を研究しました。ゲームイベントと感情の変化の間の統計的有意性との高度に線形の相関が見つかりました。この関係は、ゲームデザイナーに、ユーザーの満足度を高めてゲームデザインを改善するための貴重な参考資料を提供する可能性があります。

イントロ掻い摘み

リアルタイムに変化するプレイヤーのメンタルに合わせてゲーム体験を適応させることは、ゲームのデザインで重要である。最近の研究では、プレイヤーの感情を用いて、ユーザーのゲームへの没入体験と満足度を高めることが可能であることがわかっている。しかし、感情変化とゲーム中のイベント(敵を倒すなど)の関係性はいまだ明らかになっていない。この研究では、感情変化は常にゲーム中のイベントにより引き起こされると仮定する。感情変化とゲームイベントにどのような関係があるかを明らかにすることで、より良いゲームデザインをするための資料になる。

人間の感情を定量化する(数値化する)代表的な方法は、脳波(EEG; electroencephalogram)を使用することである。脳波から感情を測定する方法については、すでに別の論文で述べられている。この研究では、それなりにゲーム経験のある20人の被験者による実験を行い、ゲームイベントと彼らの感情の変化を分析した。

ゲームにおける典型的な感情である、興奮(excitement)と欲求不満(イライラ, frustration)に焦点を当てると、ゲームイベントと感情変化には、R^2=0.97という、線形の強い相関関係が見つかった。平均して、興奮の場合はゲームイベントの35.58秒後、欲求不満の場合は24.77秒後に感情のピークが検出される。

相関係数Rについての解説, 0相関がない) <= R <= 1(相関が強い)なので、R^2=0.97は極めて強い関係があることを示している。ホンマかいな、、、

手法

データ収集

Emotiv EPOC+ EEG headset を使用。14チャンネル、128Hzで脳波を測定出来て、多くの研究で使われているので信頼性と正確性に関して良いと思われるもの。

Emotiv APIで、0~1の強さで表される、次の5つの感情が測定できる。

  • 瞑想(meditation):この研究では使ってない
  • エンゲージメント/退屈(engagement/boredom):この研究では使ってない
  • 長期的な興奮(long-term excitement):この研究では使ってない
  • 短期的な興奮(short-term excitement)
  • 欲求不満(frustration)

被験者は18歳から45歳の18人の男性と2人の女性(平均年齢25.5歳)で、3つのゲームのうち1つにランダムに割り当てられる。被験者のゲーム経験については表1に示してある(ここでは割愛)

居間のような自然な環境を作り、32インチのテレビでXboxOneでゲームをプレイしてもらった。

ゲームは以下の3つ

  • Battlefield4 (shooting)
  • Forza5 (racing)
  • Pool Game (table)

実験デザイン

実験は以下のように4ステージで構成される。10分ゲームをプレイしたら目を閉じて7分休憩する。

Fig. 1.

データ解析

理想的には、1つのゲームイベントが感情のピークを引き起こすことである。それは、イベントの発生時刻と感情のピークの間には線形の関係があることである。それを調べるために、イベントと感情の分析には線形回帰を用いる。

データの注釈付け(ゲーム内のどこでイベントが発生したか)の簡単化のために、短期的な興奮と欲求不満に絞っている。例えば、Battlefield4では、敵に攻撃がヒットしたときに短期的な興奮が起こり、死んだときや任務失敗のときに欲求不満が起こると予想される。これらはゲーム映像やプレイヤーの表情から読み取ることが比較的簡単である。2人の人にイベントの注釈付けを行ってもらい、両方にマークされたイベントのみをゲームイベントとして用いる。

各イベントに対する感情のピークと最終的なイベントと感情の相関関係を具体的にどのように計算するか(省略)
結果が感情のピークの取り出し方に依存している可能性を除去するために、ここで定義したやり方とは別のやり方で感情のピークを出して、それぞれ比較して同じような結果になることも示している。(つまり、感情のピークの作り方は良かったと主張)

結果と考察

イベント発生(青の点)、感情のピーク(赤の×)は例えば以下のようになる。

各被験者の結果は表3(省略)に示されている。

どの被験者も興奮、欲求不満それぞれに対してR^2=0.9を超えているため(平均0.97)、イベントと感情に非常に強い相関関係があることがわかる。

イベントと感情のピークの時間の関係(表3のintercept)は、興奮は平均35.58秒、欲求不満は平均24.77秒後になっている。ゲームイベントが起きてから30秒程度で感情変化が起こることを示している。

まとめ

  • 人間の感情とゲームイベントの関係を調査
  • イベント開始から約30秒後に感情のピークが訪れる⇒感情とゲームイベントに関係性が強くある
  • ゲームイベントと感情を1対1に対応付けして定量的に比較
  • ゲームデザイナーがゲームイベントによって引き起こされる感情を用いて、ユーザー体験を向上できる可能性を示している

所感

正直、これでいいのか?という箇所がいくつかあったが、専門外の分野なのでまぁあまり言及はしない。データを見る限りは、感情とゲームイベントの関係は強くありそうだということが言えると思う!

感情とかふわふわしたものを扱う心理学系?の話は細かい点でよくわからない(´・ω・`)

Categories:

Tags:

No responses yet

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA